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2022.10.28 中嶋 健吉
裁定残 (10月25日日経新聞から)
日経新聞の表題は:
裁定売り残、高水準に
買い残縮小 将来の売り圧力緩和
その背景をチェックします
裁定残動行 株数ベース
9月22日 10月14日
売り残 4週連続増加 4436万株 1億5455万株
買い残 4週連続減少 3億6860万株 2億9834万株
裁定取引は株価指数など先物と現物株の価格差から利ざやを稼ぐ手法。
売り残増加の背景
- 先物にまとまった売りが出て、現物株が相対的に割高になる
- 割高になった現物株を売ることで裁定売り残が増加になる
- 9月22日―10月14日の外国人先物売りは合計▼2兆3170億円
- 特に9月30日の週は▼1兆5919億円と巨額
- 9月末配当落ちを埋める先物買いが日経型で1500億円、TOPIX型
8000億円、合計9500億円の買いが当該ファンドから出た 。
- このファンドの買いに先物業者が大量の先物売りをぶつけたと思われる
- 更に割高な現物株を前に、買い残の解消が進む結果に。 買い残の減少に繋がっている。
- 買い残は9月16日の週の5億0388万株をピークに、翌週から4週連続で減少している。
結論として裁定売り残の増加は、先物にも売りポジションが溜まっていることの現れ、つまり株価反発局面に向けて買い戻しエネルギーが溜まっていることの表れと見えます。 更に買い残の縮小は将来の現物株の売り圧力が低下していることで、揃って需給面では支援材料として意識されるでしょう。