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2022.07.22 小川 真由美

それでいいのか大学生

かつて、残間理恵子さんのご著書で「それでいいのか蕎麦打ち男」なんて本が流行りましたね。あの本は確か定年退職後揃って趣味の世界に没頭する団塊世代に警鐘を鳴らしたものでしたが、私はここ最近ニュースを見ていて感じたことを今週のタイトルに。

前場の準備をしながら背中で何気なく流れていたニュースの中で昨今の大学の授業の実情が特集されていました。

オンライン授業を受けるようになってから、速度を速めて話を聞く習慣ができたので、”対面授業”を通常速度で受けるとまどろっこしく感じるのだとか。無駄話も多いし、面白くない所が飛ばせないと。

「最近の若い者は」という表現は古代エジプトの時代からあったそうですが、何を言っているのだ諸君、全身で振り返ってしまいました。

そんなことを言っていたら社会に出た時上司の話を聞いてどうする、お客さんの話を聞いてどうする、長くて早送りしたいのか、飛ばしたいのか?”無駄”と思える話にも意味はあり、無駄ではないのだ。

大学の先生に話を聞くと、大学側でもオンライン授業をそもそも1.3倍で発信しているのだと。忖度なのか?それでいいのか?心配になってしまったニュースでした。「ま、お金を払う立場と貰う立場は違うから、社会に出たらそれなりに我慢するんじゃないの?」とは櫻井キャスター。なるほどそうなのかなぁ。

コロナ禍の入り口、在宅勤務が主流になって人に会えなくなった時分、数少ない”会える人たち”と必要最低限しか言葉を交わせなくなって”世間話”や”無駄話”がどんなに恋しかったか。

何気ない会話から生まれる新しい発想だって沢山あると思うのです。新社会人と仕事をする機会はなかなかありませんが、世間話を始めたらリモコンで早送りされそうな恐怖を覚えました。

でも待てよ、思えば私もだいぶ前からニュースや情報番組は1.5倍視聴、ドラマまでも1.5倍で見て流れだけを頭に入れたかった作品もあるし、映画でさえも倍速視聴の経験があるな・・・若手知人の「お笑いも倍速で」とまではなかなか頭が付いて行けませんが、あまり人のこと言えないのかしらん。

”コスパ”=コストパフォーマンスに加えて“タイパ”=タイムパフォーマンスという言葉もあるそう。

現代人、そんなに急いでどこへ行く。時間の価値観について考えてしまったニュースでした。