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2024.10.29 櫻井 英明

坂の上の雲

どうも投資の世界が学問にこだわり過ぎているような気がします。
マスコミ等で話題にされるのは為替や債券畑の市場関係者による海外市場動向。
日本の経済指標ではなく、海外の経済指標の予想とスケジュールが最重要視されます。
あるいは個別株動向などまるで関係ないかの如く金利と為替についての話題に終始。
20世紀のバブル以降「羹に懲りてなますを吹く」が続いているかの印象です。
いつの間にか日陰の存在だった罫線さえ「チャート」と名を変え学問チックになってしまいました。
相場は学問ではありません。
人間の欲望がせめぎあう戦場。
その醜悪さを隠ぺいするために、いかにも高等な議論が展開されるのでしょう。
でも所詮詭弁の世界に映ります。
学問、特に経済学は議論ばかりで結論は少なく、世の中の流れに主流が左右される傾向があります。
加えれば、相場は学問チックに分析されることでつまらなくなります。
そして人間の存在が薄くなります。
それはそれで世の流れなのだろうでしょうが・・・。

市場にも企業にも欲しいのは「プライド」。
「買ってもらう」は当然ですが「素晴らしい商品を提供している」というプライドが欲しいもの。
デフレ経済下での媚びる経営ではなく、プライドを持った商品やサービスの提供が望まれます。
「売れるかな」ではなく「買うだろう」。
この意識改革だけでも大きな変化になります。
「所詮東京市場なんて」とか「NY株には及ばない」。
長年の意識は捨てて「プライドを持った媚びない市場」になるべきだと思います。
「海外投資家はパスする訳ではなく、興味津々」。
でも期待するのではなく、むしろ欲しいのは自分の市場は自分で育成する姿勢。
NYだって「株は死んだ」といわれた時期がありました。
でも不死鳥のように甦りました。
東京もバブルが崩壊しリーマンショックの余波を受け、東日本の大震災にも襲われました。
それでも株価は史上最高値圏。
「弱気は賢く聞こえ、強気は愚かに聞こえる」。
そして「隣の芝生は青い」。
世界が日本がプライドを持つことを恐れているのですから、むしろ隠すのではなく、露出するべき。
弱肉強食の世界で「謙譲の美徳」なんて言う時代は終わりました。
ものの見方、考え方、思考法を少し変えれば、東京市場は成長するはずです。
株価=業績×需給×心理。
業績も需給も数値で表現できる定量の部分。
ここは変化させようがありません。
しかし心理と言う定性の部分は可変の部分。
そんなに難しいことではないと思います。

司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」に登場する秋山好古の言葉。
「質問の本質も聞かずに弁じたてるというのは、政治家か学者の癖だ」。
これは長年の疑問を解決するのにハマりました。
知りたいことの本質をつかめるまま議論が進むから余計に意味不明になります
相場を論じるにしてもそう。
「何が知りたいのか」が明確でないまま言葉だけが欧米化。
あちらもこちらもアルファベット3文字かカタカナばかり。
内容ですら欧米世界の事象をああだこうだと勝手気ままに言いあうだけ。
挙句の果てには「要注意、気を付けましょう」。
もっとも「本質」を追求するのは容易ではありません。
だから結局内容ではなく言葉だけを高級に纏い、枝葉末節にこだわることで、事の本質からはますます遠ざかるようになります。
コロナ禍でも経験しましたが、専門家の議論なんてものは、この風景でたいして変わらないのでしょう。
「質問の本質も聞かずに弁じたてるというのは市場関係者や専門家の癖だ」。
そう言い換えても差し支えないと思います。

秋山好古の言葉には続きがあります。
「軍人はちがう。
軍人は敵を相手の仕事だから、敵についてその本心、気持ち、こちらに求めようとしていること、
などを明らかにしてから答えるべきことを答える。
そういう癖を平素身につけておかねば、いざ戦場に臨んだときには一般論の虜になったり、
独善に陥ったりして負けてしまう」。
この「坂の上の雲」を一気に見つめるマインドこそ投資家には必要でしょう。

「陰極まれば陽転す」と言う相場格言。
11日連続陰線を陰と言うかどうかは議論の余地がありますが、「選挙前株高のアノマリーは選挙通過で株高」に転じた格好。
「冬来たならば春遠からじ」というのもありました。

以下は今朝の場況。

「NASDAQ総合のサイコロは10勝2敗」

週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。
NYダウ前週末までの5営業日で1161$ドル下落。「
「短期間で大きく下げた後で、ハイテク株や金融株を中心に持ち高調整の買い」との解釈。
ナスダック総合株価指数は3日続伸。
一時は7月10日に付けた過去最高値(18654ドル)を上回った。
ただ長期金利の上昇が重荷となった。
アルファベット、メタ、アップルが今週の発表を控え株価は上昇。
JPモルガンが目標株価を引き上げた3Mは4.4%高。
ラッセル2000指数は1.63%高。
主要株価指数をアウトパフォームした。
国債利回りが上昇。
ほぼ全ての年限で3カ月ぶりの高水準を付けた。
11月FOMCで0.25%利下げ確率は95%。
利下げ一時停止の確率は5%。
10年国債利回りは4.282%。
一時、7月11日以来の高水準となる4.3%を付けた。
5年国債利回りは4.113%。
2年国債利回りは4.135%。
ドル円は153円台前半。
一時1%高の153.88円を付けた。
これは7月下旬以来の円安水準。
「衆議院選挙の結果が円の弱材料となった」との解釈。
WTI原油先物12月限は4.40ドル(6.13%)安の1バレル=67.38ドル。
9月中旬以来約1カ月半ぶりの安値。
SKEW指数は144.71→148.91→148,46。
恐怖と欲望指数は58→62。
10月18日の75がピークだった。
(昨年10月5日が20)。

週明けのNYダウは273ドル(0.65%)高の42387ドルと6日ぶりに反発。
高値42476ドル、安値42264ドル。
サイコロは6勝6敗。
騰落レシオは111,61(前日108.08)。
NASDAQは48ポイント(0.26%)高の18567ポイントと3日続伸。
高値18671ポイント、安値18563ポイント。
サイコロは10勝2敗。
騰落レシオは97.74(前日93.88)。
S&P500は15ポイント(0.27%)高の5823ポイントと反発。
高値5842ポイント、安値5823ポイント。
サイコロは6勝6敗。
騰落レシオは104.14%(前日104.41%)。
週明けのダウ輸送株指数は185ポイント(1.15%)高の16290ポイントと続伸。
SOX指数は1ポイント(0.02%)安の5211ポイントと3日ぶりに反落。
VIX指数は19.80(前日20.33)。
NYSEの売買高は9.08億株(前日8.65億株)。
週明けのシカゴ225先物円建ては大証日中比65円安の38605円。
ドル建ては大証日中比30円高の38700円。
ドル円は153.28円。
10年国債利回りは4.282%。
2年国債利回りは4.135%。

「日経VIは32.14→25.86」

週明けの日経平均は寄り付き156円安。
終値は691円(△1.82%)高の38605円と反発。
2日ぶりに38000円台を回復した。
高値38740円。
安値37757円。
9月27日高値39829円は下回ったまま。
日足は2日ぶりに下ヒゲのない大陽線。
10月16日は39415円→39362円にマド。
日経平均は22日連続で一目均衡の雲の上。
上限は36791円。
下限は36742円。
TOPIXは39.46ポイント(△1.51%)高の2657ポイントと6日ぶりに反発。
25日線(2680ポイント)を5日連続で下回った。
75日線(2677ポイント)を9日連続で下回った。
2日ぶりに日足大陽線。
TOPIXコア30指数は3日ぶりに反発。
プライム市場指数は20.31ポイント(△1.51%)高の1367.72ポイントと6日ぶりに反発。
東証グロース250指数は20.58ポイント(△3.49%)高の609.88と5日ぶりに反発。
25日移動平均線からの乖離は▲4.53%(前日▲8.06%)。
プライム市場の売買代金は3兆8858億円(前日3兆1580億円)。
売買高は17.82億株(前日15.65億株)。
値上がり1504銘柄(前日216銘柄)。
値下がり123銘柄(前日1398銘柄)。
新高値11銘柄(前日8銘柄)。
新安値22銘柄(前日57銘柄)。
プライム市場の騰落レシオは89.34(前日88.00)。
東証グロース市場の騰落レシオは75.44(前日74.84)。
NTレシオは14.53倍(前日14.48倍)。
サイコロは6勝6敗で50.00%。
TOPIXは4勝8敗で33.33%。
東証グロース市場指数は3勝9敗で25.00%。
上向きの25日線(38700円)から▲0.25%(前日▲1.89%)。
5日連続で下回った。
200日線を上抜いてゴールデンクロス5日目。
75日線も3日連続で上抜けた。
下向いた75日線は38131円。
3日ぶりに上回った。
上向きの200日線(38292円)からは△0.82%(前日▲0.92%)。
4日ぶりに上回った。
下向きの5日線は38235円。
9日ぶりに上回った。
13週線は38028円。
26週線は38459円。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲15.438%(前日▲14.853%)。
買い方▲9.594%(前日▲11.278%)。
東証グロース250指数ネットストック信用損益率で売り方▲8.817%(前日▲4.645%)。
買い方▲21.758%(前日▲24.027%)。
空売り比率は42.7%(前日42.6%、9日連続で40%超)。
空売り規制なしの銘柄の比率は10.5%(前日9.7%)。
9月13日が16.4%だった。
日経VIは25.86(前日32.14)。
日経平均採用銘柄のPERは15.52倍(前日15.28倍)。
前期基準では15.87倍。
EPSは2487円(前日2481円)。
直近ピークは10月15日2514円、3月4日2387円。
225のPBRは1.36倍(前日1.34倍)。
BPSは28386円(前日28293円)。
日経平均の予想益回りは6.44%。
予想配当り利回りは1.98%。
指数ベースではPERは20.52倍(前日20.17倍)。
EPSは1881円(前日1879円)。
PBRは1.91倍(前日1.87倍)。
BPSは20212円(前日20288円)。
10年国債利回りは0.970%(前日0.945%)。
プライム市場の予想PERは15.32倍。
前期基準では15.71倍。
PBRは1.30倍。
プライム市場の予想益回りは6.52%。
配当利回り加重平均は2.33%。
プライム市場の単純平均は40円高の2670円(前日は2630円)。
プライム市場の売買単価は2179円(前日2017円)。
プライム市場の時価総額は928兆円(前日913兆円)。
ドル建て日経平均は251.72(前日249.81)と反発。
週明けのシカゴ225先物は大証前日比65円安の38605円。
高値38765円、安値37220円。
大証夜間取引終値は日中比40円安の38630円。
気学では火曜は「気味の急変を見せる日なり」。
水曜は「押し込むと小底入れをみる日。突っ込み買いあれば買い」。
木曜は「上寄り付きしたら吹き値売り方針」。
金曜は「突っ込んでも戻す日。悪目あれば買い方針良し」。
ボリンジャーのプラス1σが39342円。
プラス2σが39904円。
マイナス1σが38058円。
マイナス2σが37416円。
週足のプラス1σが39321円。
プラス2σが40614円。
マイナス1σが36735円。
マイナス2σが35442円。
半値戻しは36841円。
9月配当権利落ち前は38925円。
日経平均株価の9月月中平均は37162円。
TOPIXの9月月中平均は2627ポイント。
月足陽線基準は38652円。
9月末は37919円。
アノマリー的には水曜が「リーマンショック以降株高の日」。

《今日のポイント10月29日》

(1)週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。
   10年国債利回りは4.282%。
   5年国債利回りは4.113%。
   2年国債利回りは4.135%。
   ドル円は153円台前半。
   SKEW指数は144.71→148.91→148,46。
   恐怖と欲望指数は58→62。
   10月18日の75がピークだった。
   (昨年10月5日が20)。

(2)週明けのダウ輸送株指数は185ポイント(1.15%)高の16290ポイントと続伸。
   SOX指数は1ポイント(0.02%)安の5211ポイントと3日ぶりに反落。
   VIX指数は19.80(前日20.33)。
   NYSEの売買高は9.08億株(前日8.65億株)。
   週明けのシカゴ225先物円建ては大証日中比65円安の38605円。

(3)プライム市場の売買代金は3兆8858億円(前日3兆1580億円)。
   売買高は17.82億株(前日15.65億株)。
   値上がり1504銘柄(前日216銘柄)。
   値下がり123銘柄(前日1398銘柄)。
   新高値11銘柄(前日8銘柄)。
   新安値22銘柄(前日57銘柄)。
   プライム市場の騰落レシオは89.34(前日88.00)。
   東証グロース市場の騰落レシオは75.44(前日74.84)。
   NTレシオは14.53倍(前日14.48倍)。
   サイコロは6勝6敗で50.00%。

(4)上向きの25日線(38700円)から▲0.25%(前日▲1.89%)。
   5日連続で下回った。
   200日線を上抜いてゴールデンクロス5日目。
   75日線も3日連続で上抜けた。
   下向いた75日線は38131円。
   3日ぶりに上回った。
   上向きの200日線(38292円)からは△0.82%(前日▲0.92%)。
   4日ぶりに上回った。
   下向きの5日線は38235円。
   9日ぶりに上回った。
   13週線は38028円。
   26週線は38459円。

(5)松井証券信用評価損益率速報で売り方▲15.438%(前日▲14.853%)。
   買い方▲9.594%(前日▲11.278%)。
   東証グロース250指数ネットストック信用損益率で売り方▲8.817%(前日▲4.645%)。
   買い方▲21.758%(前日▲24.027%)。

(6)空売り比率は42.7%(前日42.6%、9日連続で40%超)。
   空売り規制なしの銘柄の比率は10.5%(前日9.7%)。
   9月13日が16.4%だった。
   日経VIは25.86(前日32.14)。

(7)日経平均採用銘柄のPERは15.52倍(前日15.28倍)。
   前期基準では15.87倍。
   EPSは2487円(前日2481円)。
   直近ピークは10月15日2514円、3月4日2387円。
   225のPBRは1.36倍(前日1.34倍)。
   BPSは28386円(前日28293円)。
   日経平均の予想益回りは6.44%。
   予想配当り利回りは1.98%。指数ベースではPERは20.52倍(前日20.17倍)。
   EPSは1881円(前日1879円)。
   PBRは1.91倍(前日1.87倍)。
   BPSは20212円(前日20288円)。
   10年国債利回りは0.970%(前日0.945%)。

(8)プライム市場の単純平均は40円高の2670円(前日は2630円)。
   プライム市場の時価総額は928兆円(前日913兆円)。
   ドル建て日経平均は251.72(前日249.81)と反発。

(9)ボリンジャーのプラス1σが39342円。
   プラス2σが39904円。
   マイナス1σが38058円。
   マイナス2σが37416円。
   週足のプラス1σが39321円。
   プラス2σが40614円。
   マイナス1σが36735円。
   マイナス2σが35442円。
   半値戻しは36841円。
   9月配当権利落ち前は38925円。
   日経平均株価の9月月中平均は37162円。
   TOPIXの9月月中平均は2627ポイント。
   月足陽線基準は38652円。
   9月末は37919円。
   アノマリー的には水曜が「リーマンショック以降株高の日」。

今年の曜日別勝敗(10月28日まで)

月曜19勝15敗
火曜25勝17敗
水曜15勝26敗
木曜23勝20敗
金曜25勝17敗
(櫻井)。