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2024.06.04 櫻井 英明

知らないことを知らない

5月30日(木)は前場に一時900円超の下落。
その後502円安まで戻しました。
市場はほぼ理解不能で下落の解釈の決め手は見当たらず。
金利?為替?
どうもそうではなさそうでしたし、懲りない面々が語るこの発想はもういい加減飽きました。
株価は経済指標の解釈で上下するのではなく、その折々に都合がよい指標を持ってくるもの。
つまり順番が違うことに気が付くべきでしょう。
結論は月末要因としての需給がらみだったようです。
4月19日の1000円超安の時も20日の手前での出来事。
タイムスケジュールは経済指標のためだけにあるのではありません。
「海外融資が焦げ付いた一部金融機関の売り」という指摘もきかれました。
225採用銘柄の下落が多かったという事実から考えるとこれはありそうな理由。
実際、値上がり銘柄のほうが値下がり銘柄よりも多かったのは不可解な現象。
「やられ玉の合わせ切り」という言葉も登場しました。
株も売られましたが、債券も利回り1.1%まで売られました。
だから先週木曜の前場はなんでもかんでも売りだった印象が残ります。
あるいは仕組債からみのノックインノックアウトの攻防戦。
38000円がその水準だったと考えると多少落ち着いたかもしれません。
専門家はまじめに外部要因を考えますが、実は相場は需給で動く世界。
インサイドに入り込まないと、上昇下落の理由はなかなか見当たらないものです。
そしてアウトサイダーにはその真実は話さないものでもあります。
だからいつまでたっても証券マスコミの相場解釈には隔靴掻痒の感が否めないのでしょう。
名探偵コナン君のように「真実は一つしかない」。
真実の周りで騒ぐから真実が見えにくくなります。
必要なのは映像や活字に求めるのではなく「じっと手を見る」ように考え抜くことです。

興味深いのは「専門家は断言しない」ということ。
どの業界でもこれは存在している気がします。
自己保身のための曖昧模糊とした表現ばかり。
「すべての」とか「一部の」などの単語を駆使し論理学としてはなかなかなもの。
ただこういう言葉を聞いていると証券市場では余計に相場がわからなくなります。
そして、倒れそうになるほどに下落上昇の原因を考え抜く姿勢は見当たらないようにも思えてなりません。

「需給はすべてに優先する」。
頭で理解している専門家は多いもの。
しかしこの場合の需給とは信用や裁定取引に限ったものにしか過ぎません。
もちろん重要です。
ただ指数にからんだ銘柄入れ替えなどのイベントに対する興味は薄いようです。
経済指標など所詮通過すれば終ってしまうイベント。
結果が株価に与える影響など実はたいしたことはありません。
「市場は経済指標を吸収する」のではなく「市場は都合の良い指標を選ぶ」。
「専門家は都合の良い経済指標を選ぶ」でもよいでしょう。
その昔、株式のトレーダーをしていたころ。
「今誰がなぜ売り買いしているのか」が興味の中心でした。
これは今でも一緒でしょうが、インナーサークル以外の出身者には理解しがたい現実。
相場を解釈しなければならない宿命からつまらぬ経済指標でお茶を濁すだけにとどまってしまいます。
事の本質は語られることは滅多にありませんし、知ろうとするマスコミも少ないもの。
それは「知らないことを知らないから」なのでしょうか。
必要なのは単純なこと。
「トレンドは上なのか下なのか。
時間軸。
値幅。
そしてタイミング」。
この4つの事柄を毎日倒れそうになるまで考えると相場観は相当磨かれます。
必要なのは所詮判じ物みたいな無責任な専門家の意見など無視すること。
市場の専門家はすべからく他人のためでなく自分のために働いているということを忘れてはいけないでしょう。
大切なのは「自分の目で確かめ自分の頭で考える」という作業の反復です。

第70回ビルダーバーグ会議を通過しました。
5月30日から6月2日までスペインのマドリードで開催。
先週末にようやく議題が発表されました。
今年の主な議題。

AIの現状
AIの安全性
生物学の変貌
気候
戦争の未来
地政学的状況
欧州の経済的課題
米国経済の課題
米国の政治情勢
ウクライナと世界
中東
中国
ロシア

以下は今朝の場況。

「エヌビディアが上昇」

週明けのNY市場で主要3指数はマチマチの動き。
NYダウは下落。
ナスダック総合とS&P総合500は引けにかけて持ち直しプラス圏で引けた。
NYSEの技術的な不具合によってバークシャー・ハサウェイなどの株価が急激に変動。
少なくとも60銘柄が一時売買停止となった。
不具合はその後解消され、影響を受けた銘柄の取引は再開された。
半導体大手エヌビディアが4.9%高。
次世代人工知能(AI)チップのプラットフォーム「Rubin(ルービン)」を2026年に投入すると発表した。
アップル、アマゾン、アルファベット、メタも上昇。
マイクロソフトとテスラは軟調。
5月のISM製造業景気指数は48.7。
4月の49.2から低下した。
低下は2カ月連続。
市場予想は49.6だった。
4月の建設支出(季節調整済み)は年率換算で前月比0.1%減。
市場予想は0.2%増だった。
10年国債利回りは4.392%。
5年国債利回りは4.441%。
2年国債利回りは4.812%。
ドル円は156円台前半。
WTI原油先物7月物は2.77ドル安の1バ レル=78.36ドル。
SKEW指数は146.61→148.10→139.01。
恐怖と欲望指数は48→51。
(昨年10月5日が20)。

週明けのNYダウは115ドル(0.30%)安の38571ドルと反落。
高値38735ドル、安値38247ドル。
サイコロは4勝8敗。
騰落レシオは116.81%(前日116.81%)。
NASDAQは93ポイント(0.56%)高の16828ポイントと4日ぶりに反発。
高値16909ポイント、安値16646ポイント。
サイコロは5勝7敗。
騰落レシオは106.77(前日106.77)。
S&P500は5ポイント(0.11%)高の5283ポイントと続伸。
高値5302ポイント、安値5234ポイント。
サイコロは7勝5敗。
騰落レシオは118.00(前日118.00%)。
ダウ輸送株指数は163ポイント(1.08%)安の15074ポイントと3日ぶりに反落。
SOX指数は29ポイント(0.57%)高の5152ポイントと4日ぶりに反発。
VIX指数は13.11(前日12.92)。
NYSEの売買高は9.88億株(前日20.59億株)。
3市場の合算売買高は115億株(前日146億株、過去20日平均は126億株)。
週明けのシカゴ225先物円建ては大証日中比290円安の38650円。
ドル建ては260円安の38660円。
ドル円は156.10円。
10年国債利回りは4.392%。
2年国債利回りは4.812%。

「黒くねじれた一目均衡の雲を上回った」

週明けの日経平均は寄り付き247円高。
終値は435円(△1.13%)高の38923円と続伸。
高値39032円。
安値38734円。
日足は2日連続で陽線。
38526円→38734円にマド。
日経平均は黒くねじれた一目均衡の雲を上抜けた。
雲の下限は38582円。
上限は38646円。
TOPIXは25.28ポイント(△0.92%)高の2798ポイントと続伸。
25日線(2738ポイント)を16日ぶりに下回った。
3日連続での日足陽線で2空。
TOPIXコア30指数は続伸。
プライム市場指数は13.16ポイント(△0.92%)高の1440.32と続伸。
東証スタンダード指数は続伸。
東証グロース250指数は1.83ポイント(▲0.30%)安の616.66と反落。
25日移動平均線からの乖離は▲2.76%(前日▲2.71%)。
プライム市場の売買代金は4兆1313億円(前日7兆7613億円)。
4日連続で4兆円超。
売買高は16.76億株(前日29.83億株)。
値上がり1025銘柄(前日1512銘柄)。
値下がり563銘柄(前日117銘柄)。
新高値166銘柄(前日107銘柄)。
2日連続で3ケタ。
新安値7銘柄(前日19銘柄)。
プライム市場の騰落レシオは100.92(前日102.60)。
東証グロース市場の騰落レシオは87.47(前日88.80)。
NTレシオは13.91倍(前日13.88倍)。
サイコロは5勝7敗で41.66%。
TOPIXは7勝5敗で58.33%。
東証グロース市場指数は4勝8敗で33.33%。
上向きの25日線(38504円)からは△1.09%(前日△0.01%)。
13日連続で上回った。
上向きの75日線は38968円。
5日連続で下回った。
上向きの200日線(35319円)からは△10.20%(前日△9.07%)。
288日連続で上回った。
上向きの5日線は38575円。
4日ぶりに上回った。
13週線は38830円。
26週線は37511円。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲19.356%(前日▲18.652%)。
買い方▲5.697%(前日▲6.045%)。
東証グロース250指数ネットストック信用損益率で売り方▲11.959%前日▲10.9%)。
買い方▲24.752%(前日▲24.818%)。
空売り比率は38.3%(前日39.6%、2日連続で40%割れ)。
10月30日が54.3%。
22年10月28日54.7%、21年10月28日54.2%。
23年3月10日52.7%。
空売り規制なしの銘柄の比率は6.7%(前日5.9%)。
8月18日が8.9%、8月3日が12.3%、6月9日が16.1%。
日経VIは17.02(前日16.84)。

日経平均採用銘柄のPERは16.69倍(前日16.52倍)。
13日連続で16倍台。
前期基準では16.89倍。
EPSは2332円(前日2329円)。
直近ボトムは9月28日2056円、直近ピークは3月4日2387円。
225のPBRは1.49倍(前日1.48倍)。
BPSは26122円(前日26005円)。
日経平均の予想益回りは5.98%。
予想配当り利回りは1.79%。
指数ベースではPERは21.78倍(前日21.55倍)。
EPSは1786円(前日1785円)。
PBRは2.02倍(前日2.00倍)。
BPSは19268円(前日19243円)。

10年国債利回りは1.060%(前日1.070%)。

プライム市場の予想PERは16.41倍。
前期基準では16.64倍。
PBRは1.41倍。
プライム市場の予想益回りは6.09%。
配当利回り加重平均は2.28%。
プライム市場の単純平均は14円高の2976円(前日は2962円)。
プライム市場の売買単価は2464円(前日2600円)。
プライム市場の時価総額は973兆円(前日965兆円)。
ドル建て日経平均は247.41(前日245.32)と続伸。
週明けのシカゴ225先物円建ては大証前日比290円安の38650円。
高値39045円、安値38430円。
大証夜間取引終値は日中比240円安の38700円。
気学では火曜は「変化日にして後場にかけよく動く日」。
水曜は「人気に逆行して不時の高下を見せる日」。
木曜は「押し目の時点にある時は買い方針。逆なら見送り」。
金曜は「下放れたら買い。上放れたら売り方針良し」。
ボリンジャーのプラス1σが38886円。
プラス2σが39268円。
プラス3σが39650円。
マイナス1σが38122円。
週足のプラス1σが39767円。
マイナス1σが37873円。
「3日新甫で荒れる6月」。
アノマリー的には木曜が「株安の日、6月最弱の日、新月、変化日」。

《今日のポイント6月4日》

(1)週明けのNY市場で主要3指数はマチマチの動き。
   10年国債利回りは4.392%。
   5年国債利回りは4.441%。
   2年国債利回りは4.812%。
   ドル円は156円台前半。
   SKEW指数は146.61→148.10→139.01。
   恐怖と欲望指数は48→51。
   (昨年10月5日が20)。

(2)ダウ輸送株指数は163ポイント(1.08%)安の15074ポイントと3日ぶりに反落。
   SOX指数は29ポイント(0.57%)高の5152ポイントと4日ぶりに反発。
   VIX指数は13.11(前日12.92)。
   NYSEの売買高は9.88億株(前日20.59億株)。
   3市場の合算売買高は115億株(前日146億株、過去20日平均は126億株)。
   週明けのシカゴ225先物円建ては大証日中比290円安の38650円。

(3)プライム市場の売買代金は4兆1313億円(前日7兆7613億円)。
   4日連続で4兆円超。
   売買高は16.76億株(前日29.83億株)。
   値上がり1025銘柄(前日1512銘柄)。
   値下がり563銘柄(前日117銘柄)。
   新高値166銘柄(前日107銘柄)。
   2日連続で3ケタ。
   新安値7銘柄(前日19銘柄)。
   プライム市場の騰落レシオは100.92(前日102.60)。
   東証グロース市場の騰落レシオは87.47(前日88.80)。
   NTレシオは13.91倍(前日13.88倍)。
   サイコロは5勝7敗で41.66%。

(4)上向きの25日線(38504円)からは△1.09%(前日△0.01%)。
   13日連続で上回った。
   上向きの75日線は38968円。
   5日連続で下回った。
   上向きの200日線(35319円)からは△10.20%(前日△9.07%)。
   288日連続で上回った。
   上向きの5日線は38575円。
   4日ぶりに上回った。
   13週線は38830円。
   26週線は37511円。

(5)松井証券信用評価損益率速報で売り方▲19.356%(前日▲18.652%)。
   買い方▲5.697%(前日▲6.045%)。
   東証グロース250指数ネットストック信用損益率で売り方▲11.959%前日▲10.9%)。
   買い方▲24.752%(前日▲24.818%)。

(6)空売り比率は38.3%(前日39.6%、2日連続で40%割れ)。
   空売り規制なしの銘柄の比率は6.7%(前日5.9%)。
   日経VIは17.02(前日16.84)。

(7)日経平均採用銘柄のPERは16.69倍(前日16.52倍)。
   13日連続で16倍台。
   前期基準では16.89倍。
   EPSは2332円(前日2329円)。
   直近ボトムは9月28日2056円、直近ピークは3月4日2387円。
   225のPBRは1.49倍(前日1.48倍)。
   BPSは26122円(前日26005円)。
   日経平均の予想益回りは5.98%。
   予想配当り利回りは1.79%。
   指数ベースではPERは21.78倍(前日21.55倍)。
   EPSは1786円(前日1785円)。
   PBRは2.02倍(前日2.00倍)。
   BPSは19268円(前日19243円)。
   10年国債利回りは1.060%(前日1.070%)。

(8)プライム市場の単純平均は14円高の2976円(前日は2962円)。
   プライム市場の時価総額は973兆円(前日965兆円)。
   ドル建て日経平均は247.41(前日245.32)と続伸。

(9)ボリンジャーのプラス1σが38886円。
   プラス2σが39268円。
   プラス3σが39650円。
   マイナス1σが38122円。
   週足のプラス1σが39767円。
   マイナス1σが37873円。
   「3日新甫で荒れる6月」。
   アノマリー的には木曜が「株安の日、6月最弱の日、新月、変化日」。

今年の曜日別勝敗(6月3日まで)

月曜12勝6敗
火曜11勝10敗
水曜5勝15敗
木曜11勝12敗
金曜14勝6敗
(櫻井)