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2024.02.27 櫻井 英明

史上最高値更新に際して

3連休前の先週木曜の朝。
冷たい雨に遭遇しながら羽田空港を福岡に向けて飛び立ちました。
エヌビディアの決算は想定通りに好調でNY株は大幅高。
しかも「西向くサクライ」。
期待感を込めたフライトでした。
高度12000メートルの上空は時速240キロという向かい風。
それでも日経平均は史上最高値を更新し29000円台にまで上昇。
「見果てぬ夢」の実現は空の上で感じた格好。
2月22日に2度目の過去最高値更新となりました。
まさに「待ってたぜえ」の世界の到来。
日経平均の史上最高値更新について結構冷静なコメントも多く聞かれます。
しかし脳裏には様々な思いが走馬灯のように去来しました。
そういえば、1989年12月29日も雨模様。
お昼に新丸ビルの地下で見たNHKのお昼のニュースが報じていたのは「三菱地所ロックフエラーセンター買収」だった。
「アメリカの虎の尾を踏んだかも」とチラッと考えたことも覚えています。
あの日のあの指数が34年も抜けなかった過去最高値になるとは誰も思っていませんでした。
暗いことも甦りました。
「愛という名のもとに」のチョロも草葉の陰で喜んでいるに違いありません。
今まで「特金」があったらどうだったでしょう。
証券市場に携わったそれぞれの人たちの脳裏にさまざまの辛苦と歓喜が去来したハズ。
リーマンショックの頃、日経平均は7000円水準。。
三原敦雄先生に「今株を買わないでどうする。
君はピーターリンチのように個別株を多くの投資家さんに紹介しなさい」。
と言われたことも思い出されました。
ただ高齢者は比較的冷静で「所詮通過点」なんて格好をつけた人が多いようです。
素直に喜べないところが記憶のかなたに霞んでしまったバブルの傷跡の深さを物語っているのでしょう。
年齢で言えば1985年以前に証券市場に携わった人たちは、それでも「株は上がるもの」という思いが強いようです。
バブル直前入社組は「新人類」と言われ、結構それまでの先輩よりも相場観も営業力もあった層でした。
しかしそれ以降、特に平成以降に証券界に足を踏みいれた人は「株は取り扱ってはいけないもの」みたいな感じで醒めているようです。
それこそ株なんて色あせて見える世代なのでしょう。
たぶん違うのは2013年以降に足を踏み入れた人たち。
再びの新人類で「株は上がるもの」という経験則しかありません。
この世代間の違いがおそらく相場観の強気や警戒感一色に結び付いていくのでしょう。

何度歌ったことでしょうか。
もう歌えなくなるというのは少し寂しい気がします。

《兜町ポエム》「めぐる」

38915円もあったねと
いつか話せる日が来るわ
6994円もあったねと
きっと笑って話せるわ
だから今日はくよくよしないで
市場の風に吹かれましょう
回る回るよ株価は回る
喜び悲しみ繰り返し
今は塩漬けの銘柄たちも
生まれ変わって巡り会うよ

株を続ける人々は
いつか故郷に出会う日を
たとえ今日は追証で倒れても
きっと信じて明日を待つ
たとえ今日は果てしなく
売りの嵐が吹いていても
めぐるめぐるよ株価はめぐる
投げとナンピンを繰り返し
今日は倒れた投資家たちも
生まれ変わって歩き出すよ

「カブト」

遠い夢捨てきれずに兜町に戻った
穏やかな春の陽射しがゆれる静かな取引所
塩漬けより悲しみより憧れは強く
寂しさと背中あわせの一人きりの旅立ち

動き始めた世界の株式指数
流れていく株価だけをじっと見ていた
買い物吹雪の兜の空は
悲しいほど赤く澄んで胸が震えた

まぶた閉じれば浮かぶ株価が
迷いながらいつか帰る株の故郷
買い物吹雪の兜の空へ
いつか帰るその時まで夢は捨てない

まぶた閉じれば浮かぶ株価が
迷いながらいつか帰る株の故郷
買い物吹雪の兜の空へ
いつか帰るいつか帰る日経平均38915円

未体験ゾーンに突入した株式市場。
必要なのは「新たな仮需の創造」。
もちろん株式需給面での仮需という意味もあります。
1983年4月に東京ディズニーランドが開業。
そして夏にはファミリーコンピューターが発売。
「所詮遊園地、所詮ゲーム」。
そんな声もありましたが、これらは人々の欲求を満たしてくれました。
だから「欲しいものがある」という状況が登場するかどうかは結構課題。
明日は美味しいものを食べたい、欲しいものを買いたいというのは人間の根源的欲求です。
これを満たせるものが登場してくれば相場は長続きするに違いない。
欲しいものは「仮需も実需も創造する」ことでしょう。

株式益回り6%台、債券利回り0.7%台。
バブルの頃とは真逆の世界。
ようやくココに気が付くことができるかも知れません。
プライム上場企業の純利益はこの34年で7倍に。
日経平均はたった1倍。
携帯もパソコンもなかった時代に戻っただけに過ぎません。
もし7倍になるのなら最安値から計算しても49000円。
NYダウはこの34年で14倍。
これも計算すれば日経平均98000円。
未体験ゾーン突入ですから、目印や目標は当面探せません。
すべて過去の延長線上ではなく、自分で開拓し想像していく道程になります。
これを「恐怖」と感じるか「歓喜」と感じるかは当然大きな違い。
当時と違うのは欧米からの「羨望と嫉妬」がないこと。
後ろ指をさされない格好で成長を続けることが可能ということです。
IBMは日本の半導体について一緒に動いてくれるなんて想像もできなかった世界
「アメリカが反対しない日本」が実力を発揮すれば、企業も株価も成長は可能なはずです。
人類を頭脳労働から解放する世界の到来は、ものつくりで世界を席巻したの日本の第2次産業革命になるに違いありません。
第一次檀行革名は「動力革命」。
そして今遭遇氏し始めた「第二次産業革命」の中心は人類を頭脳労働から解放してくれる「知価革命」です。

日経平均の過去最高値更新は決して「なごり雪」ではありません。
むしろ「翼をください」の状況です。
そして時は春。
「赤い株価の中に、兜町は萌えて
はるかな高値の果てまでも 株は飛び立つ
限りなく高いそらに持ち株震わせ
自由に書ける株よ 振り返ることもせず
勇気を株価にこめて希望の風に乗り
この広い株式市場に夢を託して」。

「旅たちの日に」を迎えた東京株式市場。
過去は過去で大切ですが、もっと大切なのは未来。
「相場は上がりたいときは何があっても上がる」。
「下がりたいときには何があっても下がる」の時代は去りました。
逆に34年先の未来を見据えて、小手先でなく大局で市場が育つ時代に変わろうとしています。
もう「見極め」なくてもよい市場。
そして「もう、傘はいらない。雨、曇りのち晴れ」です。

以下は今朝の場況。

「天馬空を行く」

「SOX指数は反発」

週明けのNY株式市場で主要3指数は小幅安。
「個人消費支出(PCE)価格指数、耐久財受注、消費者信頼感待ち」との解釈。
もっともS&P500は過去17週のうち15週上昇。
ドイツ銀行によると、これは過去50年間で1989年の一度しか起きていないという。
マイクロン・テクノロジーが4.02%上昇。
フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.05%上昇。
一方グーグル親会社アルファベットは4.44%下落。
バークシャー・ハザウェイは1.94%安。
1月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.5%増の66万1000戸。
市場予想(68万戸)に届かなかったが中古住宅の在庫不足が続く中、新築一戸建ての需要は引き続き底堅い。
1月の販売戸数は前年同月比で1.8%増加した。。
1月の新築住宅価格の中央値は42万0700ドル。
前年同月比2.6%下落した。
10年国債利回りは4.281%。
5年国債利回りは4.315%。
2年国債利回りは4.731%。
ドイツのIFO経済研究所の調査で2月の独国内輸出産業の業況は改善。
ただ、輸出拡大を予想する産業はわずかにとどまった。
輸出見通し指数はマイナス7.0ポイントと、前月のマイナス8.5ポイントから上昇。
昨年のドイツの輸出は1.4%減。
ドル円は150円後半。
WTI原油先物4月物は前日比1.09ドル(1.43%)高の77.58ドル。
ビットコインは6.89%高の5万4506ドル。
イーサが8%高の3177ドル。
SKEW指数は145.91→144.00→143.60。
恐怖と欲望指数は77→76。
(昨年2月1日が82、12月19日が79、4月18日が70、3月15日が22)。

週明けのNYダウは62ドル(0.16%)高の39069ドルと4日ぶりに反落。
高値39245ドル、安値39025ドル。
サイコロは7勝5敗。
騰落レシオは110.59%(前日123.36%)。
NASDAQは20ポイント(0.13%)安の15976ポイントと続落。
高値16054ポイント、安値15973ポイント。
サイコロは5勝7敗。
騰落レシオは105.19%(前日106.54%)。
S&P500は19ポイント(0.38%)安の5069ポイントと4日ぶりに反落。
高値5097ポイント、安値5061イント。
サイコロは7勝5敗。
騰落レシオは117.03%(前日125.61%)。
ダウ輸送株指数は78ポイント(0.49%)安の15842ポイントと4日ぶりに反落。
SOX指数は48ポイント(1.05%)高の4663ポイントと反発。
VIX指数は13.74(前日13.75)。
NYSEの売買高は9.36億株(前日8.99億株)。
3市場の合算売買高は106.9億株(前日106.4億株、過去20日平均は115.6億株)
週明けのシカゴ225先物円建ては大証日中比110円高の39340円。
ドル建ては120円高の39350円。
ドル円は150.69円。
10年国債利回りは4.281%。
2年国債利回りは4.731%。

「一応2空」

週明けの日経平均は寄り付き222円高。
終値は135円(△0.35%)高の39233円と続伸。
高値39338円。
安値39181円。
「23日のNYダウ39131ドルを名目値で上回って終えた。
22日が39098円と最初に39000台に乗せたのは日経平均。
それを休日の週末に抜かれ再び抜き返した。
いい意味での日米での株価競争」という声もある。
22日のマドは38339円→38508円。
26日のマドは39157円→39181円。
一応「2空」。
日足は3日ぶりに陰線。
TOPIXは12.91ポイント(△0.49%)高の2673ポイントと続伸。
過去最高値は1989年12月18日の2884,80ポイントだがまだ抜いていない。
TOPIXコア30指数は続伸。
プライム市場指数は6.60ポイント(△0.48%)高の1375.99と続伸。
東証スタンダード指数は続伸。
東証グロース250指数は21.69ポイント(△2.92%)高の763.80と4日ぶりに反発。
25日移動平均線からの乖離は△5.72%(前日△3.16%)。
プライム市場の売買代金は5兆1119億円(前日5兆5623億円)。
16日連続で4兆円超。
売買高は18.42億株。
値上がり838銘柄(前日1082銘柄)。
値下がり757銘柄(前日518柄)。
新高値199銘柄(前日129銘柄)。
2日連続で3ケタ。
新安値8銘柄(前日11銘柄)。
プライム市場の騰落レシオは107.36(前日107.64)。
東証グロース市場の騰落レシオは100.76(前日95.34)。
NTレシオは14.67倍(前日14.69倍)。
サイコロは7勝5敗で58.33%。
TOPIXは8勝4敗で66.66%。
東証グロース市場指数は6勝6敗で50.00%。
上向きの25日線(37037円)からは△5.93%(前日△6.00%)。
40日連続で上回った。
上向きの75日線は34626円。
50日連続で上回った。
上向きの200日線(32990円)からは△18.92%(前日△18.70%)。
224日連続で上回った。
上向きの5日線は38685円。
2日連続で上回った。
13週線は35127円。
26週線は33732円。
いずれも上回った。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲20.144%(前日▲20.122%)。
買い方▲0.704%(前日▲1.215%)。
東証グロース250指数ネットストック信用評価損益率で売り方▲12.188%(前日▲10.169%)。
買い方▲11.782%(前日▲13.981%)。
空売り比率は38.4%(前日38.0%、3日連続で40%割れ)。
10月30日が54.3%。
22年10月28日54.7%、21年10月28日54.2%。
23年3月10日52.7%。
空売り規制なしの銘柄の比率は5.9%(前日8.1%)。
8月18日が8.9%、8月3日が12.3%、6月9日が16.1%。
日経VIは21.41(前日19.56)。
昨年2月16日の安値は14.63。
日経平均採用銘柄のPERは16.57倍(前日16.47倍)。
10日連続で16倍台。
9月19日は16.26倍だった。
前期基準では18.52倍。
EPSは2367円(前日2373円)。
直近ボトムは9月28日2056円、直近ピークは2月15日2375円。
225のPBRは1.50倍(前日1.49倍)。
BPSは26155円(前日26240円)。
日経平均の予想益回りは6.04%。
予想配当り利回りは1.73%。
指数ベースではPERは23.23倍(前日23.15倍)。
EPSは1688円(前日1688円)。
PBRは2.12倍。
BPSは18506円(前日18530円)。
10年国債利回りは0.685%(前日0.715%)。
プライム市場の予想PERは16.46倍。
前期基準では18.56倍。
PBRは1.43倍。
プライム市場の予想益回りは6.04%。
配当利回り加重平均は2.04%。
プライム市場の単純平均は10円高の3054円(前日は3043円)。
プライム市場の売買単価は2774円(前日3143円)。
プライム市場の時価総額は948兆円(前日943兆円)。
ドル建て日経平均は260.78(前日260.15)と3日続伸。
週明けのシカゴ225先物円建ては大証日中比110円高の39340円。
高値39510円。安値39165円。
大証夜間取引終値は日中比120円高の39350円。
気学では火曜が「前場安いと後場安の日。逆なら見送れ」。
水曜が「変化注意日にして不時安を見ることあり」。
木曜が「押し込んでも戻す日。悪目買い方針良し」。
金曜が「ポイントとなる日。注意肝要」。
ボリンジャーのプラス1σが38135円。
プラス2σが39233円。
プラス3σが40381円。
週足のプラス1σが3788円。
プラス2σが40184円。
プラス3σが42489円。

《今日のポイント2月27日》

(1)週明けのNY株式市場で主要3指数は小幅安。
   10年国債利回りは4.281%。
   5年国債利回りは4.315%。
   2年国債利回りは4.731%。
   ドル円は150円後半。
   SKEW指数は145.91→144.00→143.60。
   恐怖と欲望指数は77→76。
   (昨年2月1日が82、12月19日が79、4月18日が70、3月15日が22)。

(2)週明けのダウ輸送株指数は78ポイント(0.49%)安の15842ポイントと4日ぶりに反落。
   SOX指数は48ポイント(1.05%)高の4663ポイントと反発。
   VIX指数は13.74(前日13.75)。
   NYSEの売買高は9.36億株(前日8.99億株)。
   3市場の合算売買高は106.9億株(前日106.4億株、過去20日平均は115.6億株)
   週明けのシカゴ225先物円建ては大証日中比110円高の39340円。

(3)プライム市場の売買代金は5兆1119億円(前日5兆5623億円)。
   16日連続で4兆円超。
   売買高は18.42億株。
   値上がり838銘柄(前日1082銘柄)。
   値下がり757銘柄(前日518柄)。
   新高値199銘柄(前日129銘柄)。
   2日連続で3ケタ。
   新安値8銘柄(前日11銘柄)。
   プライム市場の騰落レシオは107.36(前日107.64)。
   東証グロース市場の騰落レシオは100.76(前日95.34)。
   NTレシオは14.67倍(前日14.69倍)。
   サイコロは7勝5敗で58.33%。

(4)上向きの25日線(37037円)からは△5.93%(前日△6.00%)。
   40日連続で上回った。
   上向きの75日線は34626円。
   50日連続で上回った。
   上向きの200日線(32990円)からは△18.92%(前日△18.70%)。
   224日連続で上回った。
   上向きの5日線は38685円。
   2日連続で上回った。
   13週線は35127円。
   26週線は33732円。
   いずれも上回った。

(5)松井証券信用評価損益率速報で売り方▲20.144%(前日▲20.122%)。
   買い方▲0.704%(前日▲1.215%)。
   東証グロース250指数ネットストック信用評価損益率で売り方▲12.188%(前日▲10.169%)。
   買い方▲11.782%(前日▲13.981%)。

(6)空売り比率は38.4%(前日38.0%、3日連続で40%割れ)。
   空売り規制なしの銘柄の比率は5.9%(前日8.1%)。
   日経VIは21.41(前日19.56)。

(7)日経平均採用銘柄のPERは16.57倍(前日16.47倍)。
   10日連続で16倍台。
   9月19日は16.26倍だった。
   前期基準では18.52倍。
   EPSは2367円(前日2373円)。
   直近ボトムは9月28日2056円、直近ピークは2月15日2375円。
   225のPBRは1.50倍(前日1.49倍)。
   BPSは26155円(前日26240円)。
   日経平均の予想益回りは6.04%。
   予想配当り利回りは1.73%。
   指数ベースではPERは23.23倍(前日23.15倍)。
   EPSは1688円(前日1688円)。
   PBRは2.12倍。
   BPSは18506円(前日18530円)。
   10年国債利回りは0.685%(前日0.715%)。

(8)プライム市場の単純平均は10円高の3054円(前日は3043円)。
   プライム市場の時価総額は948兆円(前日943兆円)。
   ドル建て日経平均は260.78(前日260.15)と3日続伸。

(9)ボリンジャーのプラス1σが38135円。
   プラス2σが39233円。
   プラス3σが40381円。
   週足のプラス1σが3788円。
   プラス2σが40184円。
   プラス3σが42489円。

今年の曜日別勝敗(2月26日まで)

月曜5勝1敗
火曜3勝4敗
水曜2勝5敗
木曜5勝3敗
金曜6勝1敗
(櫻井)。