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2022.04.21 中嶋 健吉
株価対策
株価対策、あまり響きの良い言葉では有りません。 しかし個人的には株価下落が経済を逼塞させ、個人生活に悪影響を及ぼす緊急事態を回避する最後の手段として、許されるものと考えています。
個人の株式保有比率が 60%を超える時代がありました。 戦後の財閥解体に伴いその保有株を放出、受け皿として個人に配分した為です。 しかし1950年の朝鮮戦争勃発に伴い、戦時物資調達先として発生した特需が日本経済を復興させ、株式市場の高騰に繋がります。 個人は一斉に利食いに走り、株式が個人の資産形成として残る可能性を失います。
1965 年の証券不況対策として東証修正平均株価(当時の呼称) 1200円死守が叫ばれます。 共同証券を設立し 1936 億円の株式買い入れを実施、当時の時価総額7兆円の2.84%に当たります。 下げ止まらす更に保有組合を発足させ、4590億円の買い入れは時価総額 6.8兆円の 6.72%に相当しますが効果なく、株価は1020 円まで下落しやっと底を打ちます。 初めての赤字国債の発行を含む総合景気対を好感した為です。 株価は急反発します。 買い支えた株式の処分は市場を崩さないため、生命保険会社を中心に機関投資家に販売されます。 残念ながら個人の関与する余地は有りませんでした。
日銀のETF購入は2010年12月、当時の白川総裁時代に低迷する株価対策の一環として始まっています。 黒田総裁時代に規模を拡大させ、2021 年9月末の残高は52兆8951 億円(簿価 36 兆2751 億円、含み益 16 兆 6200億円)東証時価総額 751 兆円の7%を占め、GPIFを抜く日本最大の保有主体になります。この処分が今や最大の関心です。
2020年12月の当ブログにこの問題で既に投稿していますが、今や一般、積み立てを合わせ 1067 万口座(2021 年9月末、2020 年末比+16.7%)の存在を抜きにしては考えられないでしょう。 年初から4月8日現在、投資主体別動向で日本株の買い越しは、自社株買いを続ける事業法人+8200億円、および個人+8650億円(現物1860 億円、信用6800億)だけです。 徐々にその存在感を高める個人投資家に注目しています。