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2022.01.21 小川 真由美

鰤三昧

TVか何かで見たのかな、
どういう訳かこのところ頭を「鰤しゃぶ」が占めておりました。


鰤とは、元々あまり馴染みのない魚でした。
地域的なものか、予算の関係か(笑)
子供の頃から食卓に上がった記憶はほとんどなく、
上京してからお店で照り焼きやお刺身に出会ったくらいかな。
金沢で食べた新鮮なお刺身には価値観が変わるほどの衝撃を受けましたが、
以降それほど関心を持ったことはありませんでした。

よく考えたら、この頭を占めている「鰤しゃぶ」なるものも食べた経験はないのでは?
どんな感じなのかな?検証すべく、鰤しゃぶ計画を練っていたんです。
鰤の厚みはどのくらいか、
どれくらい火を通すのか、
鍋に入れる野菜は何か、切り方はどうするのか、
色々調べながら。

余裕のできた週末、寒さに震えながら
友人おススメの新鮮な“丸”の魚がお手頃価格で手に入る大好きなスーパーに出向きました。
身を切るような冷たい風に抗うように、出向いた駅から10分ほど、
寒い、鰤しゃぶ、頑張れ、
寒い、鰤しゃぶ、頑張れ、
本当に寒い日で一歩ずつ。
もう鰤への執念ですね。


・・・臨時休業でした。


うずくまるレベルのショック。


仕方ないので他のスーパーに出向いたところ、
鰤は切り身とお刺身しかなく、
でももうどうにも収まらないこの気持ち。
お刺身を買って帰ってしゃぶしゃぶしたんです。
厚さ1センチほど。
違う違う違う、思い描いていたのはこの厚さじゃない・・・
想像と違ったけど、初の鰤しゃぶはとろける脂ですっかり虜になりました。
けどなんだか不完全燃焼。


翌朝、滅多に見ない折込チラシを見ていたら
えええっ!!
近所のスーパーで鰤の”サク”の特売。
わざわざ出掛けなくてもこんなに近くに売ってたじゃない、しかも特売で。
いよいよ理想の厚さでしゃぶしゃぶ出来るチャンス!
2日連続で鰤を買いに行きました。
解体した後の”アラ”も特売。
いそいそとかごに入れ、
アラは大根と煮つけて鰤大根に。
そして、鰤の柵は念願の鰤しゃぶに!
5ミリと8ミリに切り分けてサッとお湯をくぐらしたら、
とろける~!!
理想の鰤しゃぶ体験ができたのでした。

翌日の鰤大根は味が染み沁み。
鰤って美味しいなぁ・・・


さて。
思いがけず3日連続で鰤を食べることになった日、
難波の釣り人の友人からメール。


「鳴門海峡の絶品鰤を釣ったんだけど、食べる?」

思わず噴き出したあと、
知人の店に研ぎをお願いしていた出刃包丁を慌てて取りに行きました。

かくして鰤三昧。
しかも、スーパーで買った過日の鰤は養殖物、
友人が釣り上げた鳴門海峡の鰤は急流に揉まれてきゅっと引き締まった身の天然物。
同じ鰤ながら全く違う雰囲気で味わえました。
お刺身、漬け丼、しゃぶしゃぶ、
最後にスキ身で作った鰤ハンバーグ!で満喫いたしました。
絶品。


鰤って美味しいんだなぁ・・・。
すっかり虜です。