Blog

ブログ

2022.07.05 櫻井 英明

相手の欲望は?

本来株価と言うのは景気の成長を好感して上昇するもの。
昨今はコレが歪な形になっているようです。
金利上昇→景気悪化。
金利上昇スピード遅延→景気悪化懸念後退。
だから強い経済指標に市場がネガティブに反応。
フツーはこれが正しい姿とは思われないでしょう。
将来の価値を金利で割り引くという債券畑的発想が机上計算での企業の成長の可能性を低下させる状態。
金利が3%上がったからといって10%成長している企業の価値は本当に減少するのでしょうか。
金利上昇分を上回る成長をしている企業が買われない理由にはなりません。
市場の多くはムードで形成されがちなもの。
所詮ムードに流されるのなら、理智的な計算など役に立つのかどうか疑問です。
市場はいつになったらこのパラドックスに気が付くのでしょう。
もっとも市場は得てして奇妙奇天烈な相場観の呪縛を好むもの。
体でおかしいと感じても頭が納得してしまいがちな場所でもあります。
格言は「専門家は理路整然と間違える」。
これは相場の天井でも大底でも起こり得ること。
まあブレがちでその日暮らしの相場観にしてみればどうでもよいことの部類かも知れません。
通りすがりの投資家さんにとっても同様かも・・・。

その昔90年代の頃にエクイティ部の金融法人や投信担当のトレーダーをしていました。
前日夕方から当日朝の寄り付きまでのポイントは需給動向とイベント。
指数絡みの入れ替えや投信の設定、売買動向、事業法人や金融法人、海外からのオーダーなど。
取引所関連のイベントもありました
レーティングなども結構気にしていました。
これらはほとんど表に出るものではなく、どちらかというと「インナー」の世界のこと。
場立ち出身者が大半を占める株式部という体育会的世界だけでの話題や出来事。
どちらかと言うと目先的なことが多かったようです。
一方で調査部とか情報部。
こちらは海外の経済指標のスケジュールや政治経済イベントなどの話題。
今の株式分析の世界と一緒で一般的な話題でした。
共通しているのは通過することが重要で、中身を問うことはあまりなかったこと記憶しています。
これらが相まってエクイティ部という格好。
興味深いのは前者の「インナー」の世界の話題を市場は求めていたということ。
当時は手口も公開されていましたからさまざまなインナーがありましたし、求められていました。
市場関係者の興味の対象は今でもこの2つに分かれているのは一緒でしょう。
ただ体でイベントを察知する人種は減ってきたようです。

「通貨が売られる国が亡ぶことあっても通貨が買われた国が滅んだことはない」。
長年言ってきた言葉です。
「円安でなければ株は買われない」というのが市場関係者の一般的論調でした。
今は「悪い円安で景気が悪化し株は上がらない」という声も聞こえてきます。
もっともまだまだ「円安の良いところもある」という声もあります。
しかしココにインフレが加わると風景は少し変化します。
「デフレは実は心地よい」とも言ってきました。
そして「でも今日より明日の方が品物の値段が安い時に人は急いで消費しない」。
「今日より明日の方が値段が高いからこそ人は急いで物を買う」。
未体験ゾーンが現実になってきたときに「インフレは悪だ。だから株は上がらない」という声。
何が正しいのかわからなくなってくるほど。
手のひら返しというか、ツバメ返しというか。
「いやいや園」ではないのですから、肝の据わった見通しが欲しいもの。
コロコロと変わってはいけないでしょう。
円高は国にとって本当は善。
デフレは国民には心地よいですが企業にとっては悪材料。
インフレは本来忌むべきものですが、適度なインフレは景気刺激材料。
この本筋だけは外してほしくないところ。

「世の中を動かすのは欲望」。
というのは豊臣秀吉の300年以上も前の言葉。
陰謀渦巻いた鎌倉時代だって第一に優先されたのは自分の欲望。
この人間性は変わっていません。
欲望と欲望がぶつかるから争いも起こります起こってきました。
金銭欲、立身出世欲、支配欲、物欲、性欲、名誉欲。
欲望には限りがありません。
多くのことは自分の欲望が優先されます。
だから世の中が見えなくることが多いのでしょう。。
立場を変えて相手の欲望を鑑みてみればどうでしょうか。
株で言えば売り方は下落が欲望に繋がります。
その欲望のために持ち出してくる材料は何なのか。
商売で言えば相手が求めていることは何なのか。
その成就にパワーを注入すればうまくいくに違いありません。
でも「利他」の大合唱が聞こえながらも自分の欲が垣間見えるからうまくいかないのでしょう。
「スピードと情報管理」というのも大切なこと、。
それ以前に「相手の欲望を見破ること」の方が重要。

以下は今朝の場況。

「NYは休場」

週明けのNY株式市場は独立記念日で休場。
ロンドン株式市場でFTSE100総合株価指数は4日ぶりに反発。
供給懸念から原油先物相場が上昇。
エネルギー株に買いが入った。
「前週末までに3日続落。
値ごろ感を意識した買いも入りやすかった」との指摘。。
フランクフルト株式市場でドイツ株価指数(DAX)は反落。
供給停止の不安から天然ガス先物価格が大幅に上昇。
ドイツ経済への悪影響を懸念した売りが出た。
「5月の独貿易統計で輸出が前月比で減少したのも投資家心理を冷やした」との見方。
欧州主要600社の株価指数であるストックス600は前週末比べ0.54%高。
10年国債利回りは2.889%。
2年国債利回りは2.829%。
ドル円は135円台前半。
WTI原油8月物は前日比2.67ドル(2.5%)高の108.43ドル。
SKEW指数は119.26→119.94→118.59。
恐怖と欲望指数は24→24。

週末のNYダウは2321ドル(0.82%)高の31097ドルと反発。
高値31139ドル、安値30487ドル。
サイコロは5勝7敗。
NASDAQは99ポイント(0.90%)高の11127ポイントと5日ぶりに反発。
高値11132ポイント、安値10922ポイント。
サイコロは6勝6敗。
S&P500は39ポイント(1.06%)高の3825ポ゚イントと5日ぶりに反発。
高値3829ポイント、安値3752ポイント。
サイコロは5勝7敗。
ダウ輸送株指数は132ポイント(1.01%)高の13289ポイントと5日ぶりに反発。
SOX指数は3.83%安の2458ポイントと5日続落。
VIX指数は26.70と低下。
3市場の売買高は110.1億株(前日は125.8億株、直近20日平均128.8億株)。
225先物CME円建ては大証日中比480円高の26310円。
ドル建ては大証日中比530円高の26360円。
ドル円は135.19円。
10年国債利回りは2.889%。
2年国債利回りは2.829%。

「ETFの分配金ねん出の売りとSQの週」

週明けの日経平均は寄り付き151円高。
終値は218円(△0.84%)高の26153円と4日ぶりに反発。
日足は4日ぶりに陽線。
TOPIXは24.67ポイント(△1.34%)高の189ポイントと4日ぶりに反発。
プライム市場指数は12.70ポイント(△1.34)高の961.86と4日ぶりに反発。
東証マザーズ指数は1.21%高の654.10と4日ぶりに反発。
プライム市場の売買代金は2兆4397億円(前日は3兆1470億円)。
4日ぶりに2兆円台。
値上がり1515銘柄(前日308銘柄)。
値下がり286銘柄(前日1486銘柄)。
新高値44銘柄(前日36銘柄)。
新安値27銘柄(前日67銘柄)。
日経平均の騰落レシオは95.46(前日99.76)。
NTレシオは13.99倍(前日14.06倍)。
2月24日が13.98倍だった。
サイコロは6勝6敗で50.00%。
下向きの25日線(26898円)からは▲2.77%(前日▲3.75%)
4日連続で下回った。
上向きの75日線は26941円。
4日連続で下回った。
下向きの200日線(27809円)からは▲5.95%(前日▲6.80%)。
15日連続で下回った。
下向いた5日線は26467円。
3日連続で下回った。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲11.276%(前日▲10.425%)
買い方▲12.164%(前日▲12.769%)。
5日ぶりに売り方買い方再逆転。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲6.356%(前日▲4.744%)。
買い方▲30.640% (前日▲30.891%)。
空売り比率は45.8%(前日49.6%。3月24日から64日連続で40%超)。
空売り規制なしの比率は7.7%(前日9.4%)。
日経VIは22.99(前日24.41)。
日経平均採用銘柄の予想PERは12.73倍(前日12.57倍)。
4日連続で12倍台。
前期基準では12.85倍。
EPSは2054円(前日2063円)。
225のPBRは1.15倍。
BPSは22742円(前日22951円)。
10年国債利回りは0.215%。
プライム市場の予想PERは13.46倍。
前期基準では13.76倍。
PBRは1.16倍。
プライム市場の単純平均は25円高の2363円。
プライム市場の売買単価は2222円(前日2331円)。
プライム市場の時価総額は680兆円(前日671兆円)。
ドル建て日経平均は193.17(前日192.33)と4日ぶりに上昇。
週明けのGLOBEXの時間外取引は取引時間を短縮。
最終約定値は大証日中終値比65円高の26245円。
大証先物夜間取引終値は日中比50円高の26230円。
気学では「相場の岐れる日。足取りに注意して駆け引きせよ」。
水曜は「変化注意日」。
木曜は「前場安いと後場高の日。逆なら見送り」。
金曜は「高下激しく後場に至り大動きする」。
ボリンジャーのプラス1σが27658円。
マイナス1σが26142円。
マイナス2σが25386円。
一目均衡の雲の上限が26705円。
下限が26662円。

《今日のポイント7月5日》

(1)週明けのNY株式市場は独立記念日で休場。
   ロンドン株式市場でFTSE100総合株価指数は4日ぶりに反発。
   フランクフルト株式市場でドイツ株価指数(DAX)は反落。
   欧州主要600社の株価指数であるストックス600は前週末比べ0.54%高。
   週末の10年国債利回りは2.889%。
   2年国債利回りは2.829%。
   ドル円は135円台前半。
   SKEW指数は119.26→119.94→118.59。
   恐怖と欲望指数は22→24。

(2)週末のダウ輸送株指数は132ポイント(1.01%)高の13289ポイントと5日ぶりに反発。
   SOX指数は3.83%安の2458ポイントと5日続落。
   VIX指数は26.70と低下。
   3市場の売買高は110.1億株(前日は125.8億株、直近20日平均128.8億株)。
   週明けのGLOBEXの時間外取引最終約定値は大証日中終値比65円高の26245円。

(3)プライム市場の売買代金は2兆4397億円(前日は3兆1470億円)。
   4日ぶりに2兆円台。
   値上がり1515銘柄(前日308銘柄)。
   値下がり286銘柄(前日1486銘柄)。
   新高値44銘柄(前日36銘柄)。
   新安値27銘柄(前日67銘柄)。
   日経平均の騰落レシオは95.46(前日99.76)。
   NTレシオは13.99倍(前日14.06倍)。
   2月24日が13.98倍だった。
   サイコロは6勝6敗で50.00%。

(4)下向きの25日線(26898円)からは▲2.77%(前日▲3.75%)
   4日連続で下回った。
   上向きの75日線は26941円。
   4日連続で下回った。
   下向きの200日線(27809円)からは▲5.95%(前日▲6.80%)。
   15日連続で下回った。
   下向いた5日線は26467円。
   3日連続で下回った。

(5)松井証券信用評価損益率速報で売り方▲11.276%(前日▲10.425%)
   買い方▲12.164%(前日▲12.769%)。
   5日ぶりに売り方買い方再逆転。
   マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲6.356%(前日▲4.744%)。
   買い方▲30.640% (前日▲30.891%)。

(6)空売り比率は45.8%(前日49.6%。3月24日から64日連続で40%超)。
   空売り規制なしの比率は7.7%(前日9.4%)。
   日経VIは22.99(前日24.41)。

(7)日経平均採用銘柄の予想PERは12.73倍(前日12.57倍)。
   4日連続で12倍台。
   EPSは2054円(前日2063円)。
   BPSは22742円(前日22951円)。
   10年国債利回りは0.215%。

(8)プライム市場の単純平均は25円高の2363円。
   プライム市場の時価総額は680兆円(前日671兆円)。
   ドル建て日経平均は193.17(前日192.33)と4日ぶりに上昇。

(9)ボリンジャーのプラス1σが27658円。
   マイナス1σが26142円。
   マイナス2σが25386円。
   一目均衡の雲の上限が26705円。
   下限が26662円。

今年の曜日別勝敗(7月4日まで)

月曜12勝12敗
火曜14勝11敗
水曜13勝11敗
木曜12勝13敗
金曜12勝12敗
(櫻井)。