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2022.04.27 鈴木 一之

幸せになる秘訣

ロシア人の考え方を理解するのはむずかしいと言われます。ロシア人とは何か?と問われると定義すらできないそうです。

ロシア人の行動を少しでも理解したいと思い、長らく「積ん読」状態にあったトルストイの「アンナ・カレーニナ」を読んでいます。革命前のロシアの貴族の社交界の様子や階層社会の風習が少しわかるような気がします。

「アンナ・カレーニナ」は文庫本で3巻に及ぶ大作で、「幸福な家庭はみなよく似ているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である」という有名な書き出しで始まります。なぜこの一文がここに置かれているのか、読み進んでいくうちにわかるようになっています。

株式市場で上場企業から発表される決算数字を追いかけてゆくと、この一文の持っている意味を実感するケースが非常に多いと実感させられます。つまり、前年対比でよい決算内容を発表する企業は、業種は違っていてもみなよく似ており、反対によくない業績しかあげられない企業はそれぞれによくない内容です。したがって類似した企業を探すことは株式投資においてそれなりに意味のあることです。

企業においてさえそうなのですから、個人レベルでもきっとそうなのでしょう。人は誰だって幸せになりたいと願っています。人前で幸せを堂々と語るとは意外とむずかしいものですが、幸せになりたいのであれば、幸せそうにしている人をとことん真似することが近道です。

幸せそうな人をたくさん知っている人は、それだけで幸せになれるような気がするのです。トルストイはやはり偉大な作家でした。
(スズカズ)